鵠沼藤が谷の古い御屋敷に導かれ井戸の供養を行った。
解体業者の方が来る前に現地に到着。鬱蒼として茂る雑草と庭木を掻き分けて母屋に入った。
入口のドアは鍵がかかってない。「ん? なんか物騒だな」と思いながらも中に入ってみた。
昼間なのに崩れかけた家は雨戸が締まっていて薄暗い。
でも変だ。一か所だけ豆球が点いてる。「あれ、電気が来てるんだ」と思い、その灯りの方へ。
暗い先にトイレがあった。周りをじっくり見る余裕はなくなっていた。トイレは様式だった。
てっきり和式で朽ちているものだと思っていたら、真新しい水洗トイレだった。変だと思いながらも
5分くらいして外に出た。ようやく解体業者の方が到着した。聞けば10年ほど誰も住んでないという。
私は「いや、誰かが住んでますよ」と言おうとしたが、黙っていた。
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